- 周りと比べて自分は高収入なのか気になる
- いくらからが「高収入」なのかわからない
- 将来的に高収入を得るための方法が知りたい
将来のキャリアを考えるうえで「高収入」は一つの目標になります。新卒や若手社会人の中にはいくらからが高収入かわからず悩む人もいます。年収の基準がわからないと、今勤めている会社の待遇が良いか判断できません。
この記事では日本の平均年収や年代・業界別のデータをもとに「いくらからが高収入か」を解説します。記事を読めば高収入の基準がわかり、自身のキャリアプランに役立つ情報が得られます。一般的に高収入の目安は850万円以上です。スキルアップや転職を通じて着実にキャリアを築くために、ぜひこの記事を参考にしてください。
平均年収から見るといくらからが高収入?

「高収入」の基準は平均年収や税金の仕組み、生活満足度などによって定義が変わります。いくらからが高収入かを以下の項目に分けて解説します。
- 日本の平均年収は約460万円
- 一般的な高収入は850万円以上
- 生活満足度で見ると600万円でも高収入と感じる人が多数
日本の平均年収は約460万円
国税庁の調査によると日本の平均年収は約460万円です。平均年収はあくまで全体の平均であり、実態を正確に表しているわけではありません。平均年収は性別や働き方によって大きく異なり、一部の高収入の人が全体の数字を引き上げているからです。実際に使える手取り額は税金や社会保険料が引かれるため、460万円よりも少なくなります。
男女別の平均年収は男性は563万円、女性は314万円です。雇用形態別では正社員は523万円、非正規雇用は201万円です。年収の中央値(※1)は390万円と推定されています。
※1 中央値とは、データを順番に並べたときちょうど真ん中に位置する値のことです。
一般的な高収入は850万円以上

一般的には年収850万円以上が高収入の目安となります。税金の仕組みや社会的な制度において年収850万円が一つの区切りとして扱われることが多いからです。
年収800万円超は日本の上位約10%に入る水準であり、年収850万円は税金計算に使われる「給与所得控除」の上限額に該当します。児童手当など一部の公的制度では年収850万円が所得制限の目安です。統計データや税制上の区切りから見ても年収850万円は高収入と呼べる一つの基準になっています。
生活満足度で見ると600万円でも高収入と感じる人が多数
生活満足度の観点で見ると年収600万円でも十分に高収入と感じる人が多数存在します。年収600万円の月の手取り額は月37万円となり、日本の平均年収を上回る水準で暮らせるからです。年収600万円になると家賃や食事のグレードを上げたり、趣味や自己投資にお金を使えたりして生活満足度が高まります。
20代から30代前半で年収600万円に達している場合、同世代の中では高収入と言えます。
【年代・業界・地域別】高収入の目安

高収入の目安は年代や業界、地域などの条件によって大きく変動します。いくらからが高収入とされるか以下の項目別に解説します。
- 【年代別】20代・30代・40代の高収入の目安
- 【業界別】高収入ランキング
- 【地域別】都市部と地方で異なる高収入の基準
【年代別】20代・30代・40代の高収入の目安
高収入の目安は年齢によって変わります。年代ごとに会社での役割や求められるスキルが変わり、キャリアパス(※2)も多様化していきます。
年代別にいくらからが高い年収とされるかどうかの目安は以下のとおりです。
- 20代:500万円以上
- 30代:600〜800万円以上
- 40代:800〜1,000万円以上
高い年収は同年代の上位約20%に入る水準です。新卒や第二新卒でも大手企業や専門職、成果が給料に反映されやすい営業職に就くことで高い年収に到達できます。
» 年齢別の平均年収は?男女・地域・職種別に詳しく解説!
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※2 キャリアパスとは、仕事を通じて歩んでいく職務や役職のステップのことです。
【業界別】高収入ランキング

給与水準が高い業界を選ぶことは高収入を得るための有効な方法です。生活に不可欠なサービスを提供する業界や高度な専門知識が求められる業界は、給与が高くなる傾向があります。
平均年収が高い業界のランキングは以下のとおりです。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:747万円
- 金融業、保険業:656万円
- 情報通信業:632万円
- 学術研究、専門・技術サービス業:545万円
- 製造業:533万円
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【地域別】都市部と地方で異なる高収入の基準
住んでいる地域によっていくらからが高収入になるか基準は異なります。平均年収や家賃、物価など地域ごとに生活費が全く違うからです。
東京のような大都市圏では家賃や物価が高額になるため、高収入の目安は年収700~800万円以上と高くなります。地方は都市部に比べて生活費が安く済むため、年収500~600万円あれば高収入とみなされます。
高収入を得やすい仕事の共通点3選

高収入を得やすい仕事には以下の共通点が挙げられます。
- 高度なスキルが求められる
- 社会的需要が高い
- インセンティブが充実している
高度なスキルが求められる
高収入を得やすい職種は誰でも簡単に習得できない高度なスキルや専門知識が求められる仕事です。スキルに希少価値があるため企業は高い給料を払ってでも優秀な人材を確保したいと考えます。
以下の職業は高度なスキルや知識が求められる代表的な仕事です。
- 医師や弁護士、公認会計士
- AI開発やデータサイエンスなどの高度IT分野
- M&Aなど金融分野の専門職
社会的需要が高い

社会的需要が高い仕事は給料が高くなる傾向があります。スキルを持つ人材は限られているため、企業は他社よりも良い条件を提示して人材を確保しようとするからです。
社会的需要が高い仕事は以下のとおりです。
- ITエンジニアやデータサイエンティスト
- 医療専門職
- コンサルタントや金融専門職
- 再生可能エネルギー分野の技術者
- マーケティングやWeb関連の専門職
AI技術の発展や少子高齢化、環境問題など社会の変化にともなって求められる仕事は変化します。いくらからが高収入かを理解したうえで就職先を選びましょう。
インセンティブが充実している
インセンティブが充実している仕事では基本給とは別に、個人の頑張りや会社の業績に応じて報酬が支払われます。年齢や社歴に関係なくインセンティブは得られるため、若手でも実力と成果次第で高収入を目指せます。
インセンティブ制度を取り入れている代表的な企業は不動産や金融、外資系企業などです。ベンチャー企業などでは会社の成長によって将来大きな利益を得られる「ストックオプション」(※3)を設けている場合もあります。
※3 ストックオプションとは、役員や従業員が自社株をあらかじめ決めた価格で将来購入できるように会社が与える権利です。
高収入を得ている人の特徴3選

高収入を得ている人は以下の行動や考え方が共通して見られます。
- 専門的なスキルや豊富な経験を持っている
- 自己投資を惜しまない
- 時間管理能力が高い
専門的なスキルや豊富な経験を持っている
高収入を得ている人の多くは専門的なスキルや豊富な経験があります。専門的なスキルや豊富な経験を持つ人材は難易度の高い業務やトラブル解決、新規ビジネスの創出などの場面で真価を発揮することが特徴です。会社にとって大きな利益をもたらすため、専門的なスキルや豊富な経験を持った人材は高収入を得やすくなります。
自己投資を惜しまない

高収入を得ている人はスキルアップや人脈作りに積極的に投資し、自身の市場価値を高めています。以下の自己投資がキャリアアップや収入増につながります。
- スキルアップのための書籍購入やセミナー参加
- 専門知識を深めるための資格取得やスクール入学
- 社外の人とのつながりを作るための交流会や勉強会への参加
- 良い仕事をするための体作り
- 学んだ知識を実践で活かすための副業や新しいプロジェクトへの挑戦
いくらからが高収入なのかを把握したうえで自己投資することが、将来の資産形成につながります。
時間管理能力が高い
高収入を得ている人に共通する特徴は時間管理能力が高い点です。時間管理能力が高い人は計画的に時間を配分することで無駄を減らし、重要な業務に集中できるため高い成果を上げられます。
時間管理能力が高い人が実践している工夫は以下のとおりです。
- タスクに優先順位をつけ重要な業務から着手する
- 長期的な目標から逆算し短期的な行動計画を立てる
- 「やらないこと」を決め時間とエネルギーを集中させる
- 突発的な業務でも対応できるようスケジュールに意図的に余白を作る
- カレンダーやタスク管理ツールを使用し効率的に業務を遂行する
- スキルアップや休息といった自己投資の時間も確保する
高収入がもたらす生活の変化

高収入を得ることで生活は以下のように変化します。
- 経済的な余裕が生まれて生活の質が向上する
- 新しい経験や学びに挑戦しやすくなる
- ワークライフバランスが取りづらい可能性がある
経済的な余裕が生まれて生活の質が向上する
高収入を得ることで経済的な余裕が生まれて生活の質が向上します。経済的な余裕があれば食費を気にせず好きなものを食べたり、より良い住環境を選んだりすることが可能です。旅行などの趣味にお金を使うと自分の人生をより豊かにできます。貯蓄や資産運用に回せるお金が増えるため、金銭的な不安が軽くなることもメリットです。
新しい経験や学びに挑戦しやすくなる

高収入を得て経済的な余裕が生まれると新しい経験や学びに挑戦しやすくなります。スキルアップや見聞を広げることは自分の市場価値を高め、将来のキャリアの選択肢を広げます。
高収入を得ることで挑戦できる経験や学びは以下のとおりです。
- 資格取得・大学院進学
- 英会話・プログラミング
- 海外旅行・短期留学
- 書籍購入・セミナー参加
- 資産運用・投資
ワークライフバランスが取りづらい可能性がある
高収入と引き換えにプライベート時間が犠牲になる場合があります。ワークライフバランスが崩れる例として以下の場面が挙げられます。
- 責任が増え休日も仕事のことを考える
- 成果を出すため残業が増える
- トラブル対応でプライベート時間が減る
- 専門性向上のため休日も自己研鑽する
- 成果を求められプレッシャーがかかる
高収入は大きな責任や成果が求められることの裏返しです。大きな責任を負うことにストレスを感じる人は、いくらからが高収入になるか基準を知っておきましょう。
高収入を得るための方法3選

高収入を実現するための方法は以下のとおりです。
- 社内で昇進・昇給を目指す
- 転職で収入アップを狙う
- 副業で収入源を増やす
社内で昇進・昇給を目指す
高収入を得る確実な方法は会社で評価を高めて昇進や昇給を目指すことです。日々の仕事で地道に努力を重ねて成果を出すことが、収入アップにつながります。
昇進や昇給に向けて以下の行動を心がけましょう。
- 期待以上の成果・実績を作る
- 評価・昇進制度を理解する
- キャリアプランを共有する
- 実績を数値的にアピールする
- 資格取得・スキルアップを目指す
- チーム目標へ貢献する
- 積極的なチャレンジに挑む
転職で収入アップを狙う

今の会社よりも給与水準が高い業界や大きく成長する見込みのある会社に転職すると、収入アップが狙えます。自分の能力を正しく評価してくれる会社へ転職することが、年収アップへの近道になります。
転職活動を始める前に自分の実績やスキルを整理し、強みを明確にしましょう。強みが固まったら高給与や成長性のある企業を視野に入れつつ、転職エージェントを活用して選考対策を進めます。複数の内定が得られた場合は条件だけでなく将来のキャリアプランに役立つ経験が積めるかどうかも判断基準としましょう。
計画的に活動することで満足のいく転職が実現できます。
副業で収入源を増やす
会社の給料以外にも副業で収入源を増やすと、経済的な安定感を得られます。会社の給料が上がらない場合でも、副業なら自分の頑張り次第で収入を増やせます。副業を始める前に必ず会社の就業規則を確認して、副業が認められているか確認しましょう。
副業には以下の種類があります。
- Webライティングやデータ入力
- プログラミングや動画編集
- ブログやSNS運営
- ハンドメイドやオンライン講義
いくらからが高収入かを理解したうえで目標に合った副業の量を調整しながら取り組みましょう。自分に合う副業が見つかれば、本業と両立しながら着実に高収入を狙えます。
いくらからが高収入なのかを知り自分に合った年収を目指そう

「高収入はいくらから」という明確な基準はなく、年齢や業界、地域によって必要額は異なります。一般的には年収850万円以上が高収入の目安です。
高収入を目指すには社内で昇進・昇給を狙ったり、給与水準の高い業界へ転職したりする方法があります。専門スキルの習得や自己投資、時間管理の工夫をすることで仕事の効率が上がり収入アップを期待できます。年収の高さだけでなく働きがいやプライベートとの両立など総合的にみて仕事を選びましょう。
キャリアプランに沿って行動を積み重ねることで将来の安定と理想の年収を手に入れられます。