新卒として入社したばかりでも、さまざまな理由で退職を考えるケースがあります。しかし、退職の手続きや会社とのやりとりに不安を感じる人が多くいます。会社に退職の意志を伝えるのが怖い場合、心強い味方となるのが退職代行サービスです。
この記事では、新卒でも退職代行を利用して良い理由やおすすめのケース、メリット・デメリットなどを解説します。記事を読めば、退職代行サービスへの理解が深まり、自分の状況に適しているかどうかを判断できます。退職代行を利用する際は信頼できる業者を選び、適切な手順で進めましょう。
新卒でも退職代行を利用して良い理由

新卒でも退職代行を利用して良い理由は、以下のとおりです。
- 新卒でも退職代行を利用する人が増えている
- 新卒でも第二新卒として転職できる
- 早急な決断が必要なこともある
新卒でも退職代行を利用する人が増えている
新卒でも、退職代行を利用する人は増加する傾向にあります。ブラック企業や過酷な労働環境が、利用数の増加の背景です。入社前に説明されていた内容と実際の仕事が大きく異なっていたり、長時間労働が当たり前だったりする会社も多くあります。退職代行サービスは、SNSの普及により認知度が高まりました。
新卒社員でも、退職代行の存在を知る機会が増えています。自分の働き方や人生の選択について自己主張をする人が増えているのも、新卒で退職が増える一因です。コロナ禍によるリモートワークの普及など、働き方が多様化する中で、自分に合った環境を求める新卒社員が増えています。
新卒でも気軽に相談できる退職代行サービスが増えたのも、利用者が増加した要因の一つです。退職のハードルが下がり、選択肢が広がっています。新卒の退職に対する社会的な理解も、徐々に広まりつつあります。自分の人生を大切にする選択として、退職代行の利用を考える新卒社員が増え続けていく傾向です。
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新卒でも第二新卒として転職できる
新卒でも第二新卒として転職できることも、退職代行サービスを利用しても良い理由の一つです。多くの企業が第二新卒枠での採用を行っており、新卒入社後1〜3年程度の職歴があれば、第二新卒として扱われます。第二新卒として、新卒時の経験を活かせる業界や職種への転職が可能です。
スキルや経験を積んでいれば、条件面でも不利になりにくいと言えます。新卒採用とは異なる選考プロセスで評価されるため、自己分析や市場価値の把握が重要です。転職エージェントを活用し、効果的な職務経歴書を作成しましょう。新卒時の経験や学びを説明するのも大切です。
第二新卒としての転職によって、新たなキャリアを築くチャンスが得られます。
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早急な決断が必要なこともある
退職を先延ばしにすると、状況が悪化する可能性があります。早急に決断するためには、退職代行の利用がおすすめです。メンタルの問題や新たなキャリアチャンスに向けた準備、労働環境の急激な悪化が該当します。会社の経営状態が悪化している場合には、早めに転職の準備をしましょう。より良い条件の転職先を見つけられる可能性が高まります。
自己成長の機会を逃さないためにも、適切なタイミングでの決断が大切です。早急な決断は難しいですが、長期的な視点で自分のキャリアを考えてください。状況をよく見極めて、適切に判断することが大切です。
新卒で退職代行を利用するのがおすすめのケース

新卒で退職代行を利用するのがおすすめのケースとして、以下が挙げられます。
- 労働条件が事前に説明された内容と異なる場合
- パワハラやいじめがある職場の場合
- 退職意思を伝えても辞めさせてもらえない場合
新卒社員は、経験不足や立場の弱さから自力での問題解決が難しい場合があります。状況によっては、退職代行の利用を検討しましょう。
労働条件が事前に説明された内容と異なる場合
労働条件が事前に説明された内容と異なる場合、退職代行の利用がおすすめです。勤務時間や休日の日数、給与や手当、業務内容が異なる場合には注意しましょう。研修や教育制度、福利厚生も確認が必要です。労働条件が異なる場合、会社との信頼関係が崩れ、働くモチベーションに悪影響を及ぼします。
退職代行を利用すると、専門家のサポートを受けながら円滑に退職手続きを進めることが可能です。労働条件の不一致について適切に主張し、未払い賃金の請求などの権利を守れます。自分の将来を考慮したうえで、最適な選択をしましょう。
労働条件が説明と異なる場合は無理に働き続けず、早めに決断して次のステップに進むのが、キャリア形成においては有益です。
パワハラやいじめがある職場の場合
パワハラやいじめがある職場環境は、新卒社員の心身の健康を著しく損なう恐れがあります。上司や同僚からの精神的・身体的な嫌がらせがある場合や、過度な叱責や罵倒、侮辱的な言動がある場合が一例です。仕事を与えない、過剰な仕事を押し付けるなどの嫌がらせや、セクハラ・マタハラなどのハラスメントも含まれます。
個人の尊厳を傷つける行為や、人格否定がある環境も該当します。体調不良や精神的ストレスが蓄積し、業務に支障が出かねません。会社側に相談しても、改善される見込みがない場合もあります。自分の健康と将来のキャリアを守るために、退職代行を利用して早期に職場を離れましょう。
退職代行を利用すると、直接的な衝突を避けられ、スムーズに次のステップに進めます。
退職意思を伝えても辞めさせてもらえない場合
退職意思を伝えても会社が辞めさせてくれない場合は、退職代行を活用するのがおすすめです。退職は法律で保障された権利です。会社が退職を認めない理由を確認し、労働基準法で定められた「退職の自由」について理解しましょう。退職する場合は、以下の手順で進めます。
- 退職届を内容証明郵便で送付する
- 退職日を明確に伝える
- 引き継ぎや残務処理の期間について交渉する
退職日を明確に伝え、退職日以降は出社しない意思を示しましょう。適切な手順を踏んでも解決しない場合は、上司や人事部門と話し合いを継続してください。労働組合や労働基準監督署に相談するのも方法の一つです。精神的・身体的に負荷がかかるため、退職代行を活用するとスムーズに退職ができます。
新卒で退職代行を利用するメリット

新卒で退職代行を利用する主なメリットは、以下のとおりです。
- 会社と直接やりとりしなくて済む
- スムーズに次のステップへ進める
- 法的なトラブルを回避できる
会社と直接やりとりしなくて済む
退職代行サービスを利用すると、会社と直接やりとりをする必要がありません。退職の意思を直接伝えるのは、多くの人にとってストレスがかかる行為です。特に新卒の場合、上司や同僚との関係性が浅く、退職を切り出すのに心理的な負担を感じます。退職代行を利用すれば、精神的な負担から解放されます。
対面での説明や説得が不要になり、感情的な議論や引き留めの回避が可能です。退職代行は、退職の意思表示から手続き完了までを対応してくれます。退職に関する法的な助言やサポートを受けられる点もメリットです。新卒の多くは労働法に詳しくない場合が多いため、専門家のサポートは心強い味方になります。
スムーズに次のステップへ進める
退職代行を利用すると、次のキャリアステップへの移行がスムーズになります。具体的なメリットは以下のとおりです。
- 退職手続きの円滑化
- 転職活動開始時期の明確化
- 生活設計とキャリアプランニングの見直し
- 就職活動の準備時間確保
必要な書類の準備や手続きを迅速に進められます。退職代行を利用すると、新卒や第二新卒の方でも効率的に次のステップに進めます。
法的なトラブルを回避できる
退職代行を利用すると、法的なトラブルの回避が可能です。退職代行には労働法に詳しい専門家が在籍しているため、労働基準法に沿った適切な退職プロセスを踏めます。回避しやすくなるトラブルは、以下のとおりです。
- 違法な引き止めや退職妨害の防止
- 退職関連書類の正確な作成・提出
- 未払い賃金や有給休暇の清算要求
- 退職後のトラブル防止のための証拠・記録
退職代行を利用した場合でも、会社との間で適切な退職合意書を交わすのを忘れないでください。退職理由や条件について、法的に問題のない表現を使いましょう。必要に応じて弁護士のアドバイスを受けられる点も、退職代行サービスの強みです。
新卒で退職代行を利用するデメリット

新卒での退職代行利用には、メリットだけでなくデメリットも存在します。主なデメリットは以下のとおりです。
- 転職活動で不利になる可能性がある
- 簡単に辞める癖がつく恐れがある
- 家族や友人に知られる可能性がある
転職活動で不利になる可能性がある
退職代行を利用して早期に退職すると、次の就職先を探す際に不利な状況に陥る恐れがあります。退職理由の説明が難しくなったり、短期間での退職歴がマイナスに評価されたりする可能性に注意しましょう。人事担当者に、誠実さや忍耐力が欠如していると捉えられる可能性もあります。
新卒や第二新卒の場合、職務経験や専門スキルの蓄積が不十分と見なされる場合があります。面接時に退職の経緯について詳しく聞かれる可能性が高いため、適切な説明ができるように準備が必要です。業界内での評判や人脈形成に悪影響を及ぼす可能性もあります。
キャリアプランの一貫性や将来性に疑問を持たれる恐れもあるため、慎重に検討してください。正当な理由がある場合は、理由を明確に説明できるようにしておくと、不利な状況を最小限に抑えられます。
簡単に辞める癖がつく恐れがある
退職代行を利用すると、職場での問題に直面したときに簡単に辞める癖がつく恐れがあります。自分で問題解決をする機会を逃していることが要因です。職場で困難な状況に直面したとき、自ら解決策を見いだす努力をせずに、退職という選択をとってしまいます。
長期的なキャリア形成に悪影響を及ぼし、成長機会を逃します。職場での人間関係構築スキルが未発達になるのもデメリットの一つです。責任感や忍耐力の欠如と見なされる恐れもあります。簡単に辞める癖がつくと、長期的なキャリアに悪影響を及ぼす可能性がある点を認識しましょう。
家族や友人に知られる可能性がある
退職代行を利用したことを家族や友人に知られる可能性があります。知られる経緯は、以下のとおりです。
- SNSで知られる
- 退職代行会社からの連絡が家族に届く
- 退職後の行動や状況から推測される
- 同僚や上司から情報が伝わる
- 請求書や領収書が発見される
退職代行の利用履歴は、ウェブサイトの閲覧履歴やクレジットカードの利用履歴にも残ります。退職代行会社からのメールやメッセージを見られる可能性もあるため、注意が必要です。退職代行サービスを利用する際は、慎重な行動が重要です。プライバシーを守るための対策を講じると、不要なトラブルや周囲との関係悪化を避けられます。
新卒が退職代行で会社を辞める流れ

新卒が退職代行を利用して会社を辞める流れについて理解しましょう。退職代行を選ぶ際のポイントと、利用方法を解説します。
退職代行を選ぶポイント
退職代行を選ぶ際に大切なポイントは、以下のとおりです。
- 実績と評判が豊富な業者
- 弁護士が関与しているサービス
- 料金体系の明確さ
- 24時間対応可能
- 対面でのサポート
- キャンセル規定
- 個人情報の取り扱い
- 退職後のアフターフォロー
退職代行を慎重に選ぶと、スムーズな退職が実現できます。
退職代行の利用方法
退職代行の利用方法は、以下のとおりです。
- 信頼できる退職代行業者を選ぶ
- 必要な書類を準備する
- 退職代行の契約を結ぶ
- 退職希望日や条件を退職代行業者に伝える
- 進捗状況を確認しながら待つ
- 退職完了後、最終的な書類を受け取る
- 退職後の手続きをする
不安な点があれば、業者に相談しながら進めましょう。
新卒が退職代行を利用するときによくある質問

新卒が退職代行を利用する際によくある質問と回答をまとめました。疑問点の解消に役立ててください。
- 退職代行を使えば即日退職できる?
- 退職金や未払金はどうなる?
- 退職代行は法的に問題ない?
退職代行を使えば即日退職できる?
退職代行を利用しても、必ずしも即日退職できるわけではありません。退職代行業者は迅速な対応を心がけていますが、即日退職は保証できません。通常、退職届提出から退職まで2週間程度の期間が必要です。労働基準法で定められている2週間前の退職予告にもとづいています。
会社の状況や退職理由によっては、即日退職が可能な場合もあります。即日退職に近い形を取る方法として、有給休暇を利用するのがおすすめです。実質的に即日で職場を離れられます。健康上の理由や職場環境の問題がある場合も、即日退職が認められやすくなります。
会社との交渉次第では即日退職が認められるケースもあるため、退職代行に相談しましょう。さまざまな状況や方法を考慮しながら、退職代行と相談して、最適な退職の進め方を決めてください。
退職金や未払金はどうなる?
退職金や未払金は、退職代行を利用しても法律にもとづいて適切に支払われます。退職代行が会社と交渉し、確実に受け取れるようサポートしてくれます。退職代行の対応内容は以下のとおりです。
- 退職金や未払金の計算方法の確認
- 書面での確認と記録の保管
- 適切な金額かのチェック
- 不当な控除がないかの確認
- 支払期限や方法の明確化
退職金規定や就業規則も確認し、問題がある場合は労働基準監督署に相談しましょう。退職代行業者のサポートにより、退職金や未払金を適切に受け取れます。
退職代行は法的に問題ない?
退職代行は、基本的に法的な問題はありません。労働者の権利行使を代行しているサービスだからです。退職の意思表示は労働者の権利であり、退職届の提出や退職金交渉なども合法的な行為です。退職代行は、弁護士法に抵触しない範囲で活動しているため、利用者が法的責任を問われる心配はありません。
ただし、脅迫や強要などの違法行為を避けたり、信頼できる業者を選ぶ必要があったりする点に注意が必要です。退職代行は、労働者の権利保護に貢献しています。
まとめ

新卒や第二新卒の方による退職代行の利用は、増加する傾向にあります。労働条件の相違やハラスメント、退職拒否などの場合には、退職代行の利用がおすすめです。直接交渉を避けられ、スムーズに転職ができます。法的トラブルも回避が可能です。
転職活動への影響や安易な退職習慣、周囲への露見などのデメリットも考慮しましょう。適切な退職代行を選び、利用方法をよく理解してください。即日退職の可能性や退職金・未払金の扱い、法的な問題などについては、事前に確認が必要です。退職代行の利用を検討する際は、ポイントを押さえて慎重に判断しましょう。
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