新卒の平均年収はいくら?平均年収以外にも確認すべきポイント3選を紹介!

新卒の就職活動において、年収は重要です。しかし、平均年収や高収入の業界に関する正確な情報を把握していない人は少ないのが現状です。この記事では、新卒の平均年収や高収入が期待できる職種と業界、注意点などを解説しています。記事を読めば、自分の年収の位置付けがわかり、将来のキャリアプランを立てる際の参考にできます。

初任給が高くても、将来必ずしも高年収になるとは限りません。新卒の平均年収は学歴や性別、企業規模、地域によって大きく異なります。年収以外も考慮して、自分に合った就職先を選びましょう。

新卒の平均年収

新卒の平均年収は、大卒で300~350万円程度です。以下の要因別の平均年収について解説します。

  • 学歴別の平均年収
  • 男女別の平均年収
  • 企業規模別の平均年収
  • 都道府県別の平均年収

学歴別の平均年収

学歴が高いほど平均年収も上がる傾向です。学歴別の平均年収は以下のとおりです。

学歴平均年収
大学院卒238.9万
大学卒213.3万円
高専・短大卒195.7万円
高校卒175.9万円
中学卒167万円

大学院卒と高校卒では約63万円もの差があります。ただし、同じ学歴でも専攻や就職先によって年収に違いがあるので注意が必要です。学歴による年収の差は、入社後数年で縮まる傾向があります。学歴だけでなく、自分の適性や興味を考慮して進路を決めることがおすすめです。

男女別の平均年収

男女の平均年収には差があります。男性の平均年収は女性より約100万円高いことが特徴です。男女の年収差は新卒1年目では約20万円ですが、年齢が上がるにつれて広がる傾向にあります。男女の年収差が生じる主な理由は以下のとおりです。

  • 管理職の比率が異なる
  • 非正規の雇用率が異なる
  • 産休・育休によるキャリアの中断がある

職種によっては男女で年収差が見られます。しかし男女雇用機会均等法施行以降、賃金格差は縮小傾向です。格差解消に向けた社会全体の取り組みは継続しており、状況は改善されつつあります。

企業規模別の平均年収

企業規模によって平均年収は異なり、一般的に大企業ほど高くなる傾向があります。企業規模別の平均年収の違いは以下のとおりです。

企業規模平均年収
大企業(1,000人以上)300万円
中堅企業(300〜999人)270万円
中小企業(100〜299人)250万円
小規模企業(100人未満)230万円

大企業と小規模企業の差は約70万円ですが、業界や職種によって差が生じる場合もあります。企業規模だけで判断しないようにしましょう。地域によっても企業規模別の平均年収に差があり、都市部と地方では、同じ規模の企業でも年収に違いが出る場合があります。

企業規模は平均年収に大きな影響を与えますが、他の要因も考慮する必要があります。

都道府県別の平均年収

都道府県別の平均年収には大きな差があることが特徴です。東京都が最も高く、平均年収は約400万円になっています。大阪府や愛知県、神奈川県が続き、300万円台後半です。地方都市では平均年収が250〜300万円程度のところが多くなっており、最も低いのは沖縄県で約230万円です。

都市部と地方の格差が顕著に表れており、首都圏や大都市圏の方が平均年収は高くなっています。地域の産業構造や物価水準が影響しているためです。同じ職種でも地域によって年収に差がある点も特徴的です。ただし、地方では生活費が安いため、実質的な収入差は縮小する傾向にあります。

都道府県別の平均年収は変動する場合があるので、最新の情報を確認しましょう。

新卒の平均年収が高い職種・業界

新卒の平均年収が高い以下の職種・業界を解説します。

  • コンサルティング
  • 外資系企業
  • 商社
  • 金融業界

平均年収の高い職種や業界に就職できれば、生活の安定につながり、将来の夢や目標の実現に近づきやすくなります。
» 新卒や第二新卒の転職市場の現状やメリット・デメリットを解説

コンサルティング

コンサルティング業界は、新卒の平均年収が高い職種です。大手コンサルティングファームでは、新卒の平均年収が600万円以上になります。戦略コンサルティングでは、700万円以上の高給を得られる場合もあります。高い年収の要因は以下のとおりです。

  • 高度な業界知識と分析スキルが求められる
  • クライアントとの折衝や提案力が求められる
  • 英語力が必要とされることが多い
  • 新卒でも責任ある仕事を任される

高収入と引き換えに長時間労働が一般的で、ワークライフバランスの確保が難しい傾向にあります。しかし、コンサルティング業界は、キャリアアップの機会が多く、将来の年収上昇が期待できます。プロジェクトベースの仕事で、多様な経験を積めることも魅力です。成果主義の傾向が強く、実力次第で早期昇進もできます。

新卒でコンサルティング業界を選ぶ際は、高収入だけでなく、多様な経験を積めるなどの特徴も考慮に入れて判断しましょう。

外資系企業

外資系企業は、新卒にとって魅力的な就職先の一つです。高い給与が特徴的で、新卒でも500万円以上の年収が期待できます。外資系企業の魅力は以下のとおりです。

  • グローバルな環境で働ける
  • 語学力の向上に加え、国際的な経験も積める
  • キャリアアップの機会がある
  • 充実した福利厚生がある

外資系企業には注意点もあります。競争が激しく、成果を求められるプレッシャーが高い点です。長時間労働や頻繁な海外出張など、ワークライフバランスが取りにくい場合もあります。外資系企業では英語力が必須になるケースが多く、語学力の向上が重要です。日本とは異なる企業文化への適応も求められます。

外資系企業は日本企業と比べて転職のチャンスが多いのも特徴的です。ただし、M&Aなどによる組織変更や解雇のリスクもあるので、注意が必要です。

商社

商社は新卒の平均年収が高い業界として知られています。大手総合商社では、新卒の平均年収が1,000万円を超える場合もあり、他の業界と比較しても高い水準です。商社が高年収を実現できる理由は以下のとおりです。

  • 幅広い取引や事業投資を行うため利益率が高い
  • 高い語学力や国際感覚が必要になる
  • 実力次第で早期の昇進や昇給ができる

高年収の一方で注意すべき点もあります。長時間労働や海外赴任が多く、ワークライフバランスの課題があります。景気変動の影響を受けやすく、業績に応じて年収が変動しやすい点にも注意が必要です。総合職と一般職で、年収や昇進に差がある場合が多いことなどが挙げられます。

中小商社では大手ほどの高待遇は期待できない場合が多いので、企業選びの際は注意が必要です。商社で活躍するには、商品知識や交渉力、マーケティングなどのスキルが重視されます。スキルを磨くと、さらなる年収アップの可能性が広がります。

金融業界

金融業界は銀行や証券会社、保険会社が含まれる業界で、新卒の初任給が他の業界に比べて高めに設定されていることが特徴です。初任給の例は以下のとおりです。

金融別初任給
メガバンク220万円前後
地方銀行200万円前後
証券会社230万円前後
保険会社220万円前後
中学卒167万円

高い年収の裏側に長時間労働や残業が多い傾向があります。専門知識や資格取得が求められることも特徴です。金融業界はボーナスが手厚いことで知られており、年収全体で見ると魅力的な水準になります。キャリアアップの機会も豊富で、グローバルな業務展開もあるため、将来的な成長を見込める業界です。

景気や経済状況の影響を受けやすく、コンプライアンスや規制が厳しい特徴もあります。近年ではデジタル化やフィンテックの影響で業界が大きく変化しており、新卒採用数は減少傾向にあります。

新卒が平均年収を基準に就職先を選ぶときの注意点

新卒の就職先選びでは、平均年収は重要な基準ですが、年収だけでの判断は危険です。新卒が平均年収を基準に就職先を選ぶときの注意点は以下のとおりです。

  • 初任給と将来的な年収は相関しない可能性がある
  • ワークライフバランスが取れない可能性がある

長期的な視点で慎重に検討し、より良い就職先を選んでください。

初任給と将来的な年収は相関しない可能性がある

初任給と将来的な年収は必ずしも相関しません。企業によって給与体系や昇給システムが異なるためです。初任給が高くても、昇給率や昇進機会によって将来的な年収は変わる可能性があります。初任給が低くても、スキルアップや実績次第でキャリアアップにつながり、将来的に高収入を得られる可能性があります。

新興企業や成長産業では、初任給は低くても将来的に高収入を見込める傾向です。大企業の初任給は高くても、中小企業やベンチャー企業のほうが将来的に年収が高くなる場合もあります。転職や独立によって、初任給とは無関係に年収が大きく変わる場合もあります。

個人の能力や努力、市場価値によって、初任給と将来の年収の関係性は変化することが特徴です。初任給だけでなく、企業の成長性や自身のキャリアプランも考慮に入れて就職先を選びましょう。

ワークライフバランスが取れない可能性がある

年収が高くても、必ずしもワークライフバランスが取れるとは限りません。高収入の職場では、長時間労働が多い傾向があります。以下の状況が考えられます。

  • 残業や休日出勤が多い
  • ストレスや責任が多い
  • 休暇取得が難しい

高収入を得るためには、仕事中心の生活になりがちです。家族との時間や趣味の時間が犠牲になる可能性があります。成果主義の企業では、常にプレッシャーにさらされ、業界によっては転勤や単身赴任が多くなります。業務量が多く、体力的・精神的な負担が大きくなりやすい傾向です。

高収入を維持するためには、自己研さんの時間も必要です。高年収を追求すると、ワークライフバランスを重視する価値観と相反する可能性があります。就職先を選ぶ際は、年収だけでなく生活スタイルや価値観にも注目しましょう。

新卒が平均年収以外に確認すべきポイント

新卒が就職先を選ぶ際は、平均年収以外にも確認すべきポイントが多くあります。ポイントは以下のとおりです。

  • 仕事内容や働き方
  • 福利厚生や手当の有無
  • 自分の価値観

長期的な視点で自分に合った会社を選ぶと、充実したキャリアを築けます。

仕事内容や働き方

仕事内容や働き方は、新卒が就職先を選ぶ際に重要なポイントです。年収だけでなく、実際の業務内容や職場環境を知ると、自分に合った仕事を見つけやすくなります。確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 業務内容と責任範囲
  • 勤務時間と残業時間
  • フレックスタイム制度の有無
  • リモートワークの有無
  • チーム構成と協力体制

仕事内容や働き方に関する情報は、企業の採用サイトや説明会で確認できます。実際の働き方は入社してみないとわからない場合もあるため、内定者懇談会や先輩社員との交流会などに参加しましょう。自分のキャリアプランと照らし合わせて、会社での成長機会を考えることも大切です。

研修制度や自己啓発支援の有無、キャリアパスの明確さなども確認してください。

福利厚生や手当の有無

福利厚生や手当は、給与以外の待遇として重要な要素です。多くの企業がさまざまな制度を用意しているので、比較検討しましょう。主な福利厚生や手当は以下のとおりです。

  • 社会保険
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 残業手当
  • 資格手当
  • 退職金制度

働き方に関する制度も重要です。具体的には、育児・介護休業制度や在宅勤務制度などが挙げられます。社員の健康やスキルアップをサポートする制度もあります。健康診断やメンタルヘルスケア、教育研修制度、資格取得支援などです。

健康やスキルアップのための制度は、長期的な視点で見ると給与と同じくらい重要です。ワークライフバランスや自己成長を重視する人にとっては、魅力的な要素になります。就職先を選ぶ際は、給与だけでなく福利厚生や手当の有無も含めて総合的に判断しましょう。

自分の価値観

価値観を大切にすることは、長期的な仕事の満足度につながります。新卒や第二新卒が就職先を選ぶ際は、年収だけでなく自分の価値観との一致を確認することが重要です。考慮すべき点は以下のとおりです。

  • 自己実現の機会があるか
  • 成長できる環境かどうか
  • 仕事とプライベートのバランスを取りやすいか
  • 企業の理念や文化との一致しているか

自分の価値観に合った職場を選ぶと、モチベーションを維持しやすくなります。ただし、価値観は時間とともに変化する可能性があるので、定期的に自己分析を行うことも大切です。

新卒の平均年収に関するよくある質問

新卒の平均年収に関する疑問を解消すると、就職活動や将来の収入への理解を深められます。新卒の平均年収に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 年収と手取りの違いは?
  • 初任給と基本給の違いは?
  • 新卒はボーナスをもらえる?

年収と手取りの違いは?

年収と手取りの違いは、税金や社会保険料の有無にあります。年収は税金や社会保険料を含む総支給額を指しますが、手取りは年収から税金や社会保険料を差し引いた金額を意味します。手取りは実際に受け取る金額です。年収には以下の項目が含まれます。

  • 基本給
  • 諸手当
  • 賞与

手取りは、年収の70~80%程度が一般的です。手取りの割合は個人の状況によって変動します。税金や社会保険料は、年収の額や年齢、扶養家族の有無などの要因によって変わるためです。手取りの金額は、実際の生活設計を考えるうえで重要な指標です。

日々の生活費や貯蓄の計画を立てる際は、手取り額を基準しましょう。年収は転職や昇給交渉の際の基準として使われることが多く、求人情報などでも年収で表示される場合が一般的です。

初任給と基本給の違いは?

初任給と基本給は、給与に関する重要な概念ですが、性質や役割には違いがあります。新卒者が入社したときに最初に支給される給与が初任給です。初任給は入社時の一時的な金額であり、基本給以外の手当も含まれます。新卒採用時の指標として使われ、企業の採用競争力を示すため、比較的高く設定される傾向です。

従業員の給与の中核を成す固定給部分が基本給です。基本給は給与の基本となる固定給で、長期的に見て変動する可能性があります。昇給や降給の基準になり、諸手当や賞与の計算における基礎になる場合が多いのが特徴です。従業員の能力や貢献度を反映します。

新卒者にとって初任給は重要な指標ですが、長期的なキャリアを考えるうえでは基本給の方が重要な意味を持ちます。将来の昇給や諸手当の基準となる基本給は、キャリアの発展に大きく影響するためです。

新卒はボーナスをもらえる?

新卒もボーナスをもらえる可能性はあります。多くの企業では、新卒にもボーナスを支給します。一般的に夏と冬の年2回支給される場合が多く、新卒のボーナスは基本給の1〜3か月分程度が一般的です。ただし、以下の企業の場合はボーナスが支給されません。

  • ベンチャー企業や中小企業
  • 年俸制で採用する企業
  • 契約社員や派遣社員として採用する企業

試用期間中はボーナスが支給されないケースもあります。就職活動の際は、ボーナスの有無や金額について確認することが大切です。企業によって制度が異なるので、事前に情報を集めましょう。

まとめ

新卒の平均年収は学歴や性別、企業規模、地域によって異なります。高い年収が期待できる職種や業界もありますが、初任給と将来の年収は必ずしも比例しません。年収以外にも、仕事内容や福利厚生、自分の価値観を考慮することが大切です。

年収と手取り、初任給と基本給の違いを理解することも重要です。ボーナスの有無や金額は企業によって異なるので注意しましょう。新卒の平均年収に関する情報を総合的に判断し、自分に合った就職先を選ぶことが大切です。将来のキャリアを見据えて、慎重に就職先を選びましょう。

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